神崎オハルちゃんブログ

主に作文練習用ブログ 感想とかオススメとか雑記とか

「逃げ上手の若君」を語る/純愛マッドサイエンティストが好きだ

(逃げ上手の若君、魔人探偵脳噛ネウログラブルストイベについてのネタバレを含みます)

 

 ジャンプに松井優征がかえってきたぞおおおおおうおおおおおおおお!!!!!!!

 と狂喜乱舞するくらいには私は松井優征作品が好きだ。特に初連載作の魔人探偵脳噛ネウロは全漫画の中で最も好きな漫画と断言できる。アニメは知らない。読み切りも滅茶苦茶好きだ。離婚調停とかもすごく良かった。

 そんなわけで私が松井先生の新連載「逃げ上手の若君」を月曜0時になった瞬間電子版ジャンプで10回くらい読み返しまくったのは当然だったのである。マジで次に載ってるヒロアカを読む前に10回は読み返した。そんなことしてるのだからこの感想になるのも当たり前なのだが本当に素晴らしかった。

 まず舞台設定が素晴らしい。室町時代ですよ室町時代。皆さん知ってますか室町時代。私は全然知らない。というかいまいち覚えてない。これだけ散々日本史各時代が様々なオタク創作の題材にされている中、室町時代とかいう全然擦られてないとこよくピンポイントで狙い撃ったなと感心する。まさか松井優征作品に普通に足利尊氏が出てくるとか誰が想像できただろうか。

 そんでもって1話に込められてる情報量が凄まじすぎる。時代背景は勿論、時行頼重尊氏のキャラを前半で全て描写しきってから幕府滅亡を超スピードで描ききってからの主人公覚醒、今後の仲間のチラ見せまでやってのけて主人公に話全体の目標(=打倒尊氏)を決意させ大河っぽく綺麗に〆る。これを1話に詰め込めるの松井先生くらいのもんだろ。ネウロの電人HAL編で空母に突っ込んでからHALとの決着までを3週で終わらせた男はレベルが違う。

 以下良かったとこ列挙。お兄ちゃんの蹴った毬が落ちようとしてる瞬間を描いて次のページでお兄ちゃんの首がドンッってなってるところはページをめくったところで突然超インパクトを与えてくる松井先生の得意技だ。序盤出てきたチョイキャラ達に名前を割り振り、ただのモブの死の悲壮感をマシマシにしてるのも巧い。炎の中の尊氏をページ上部で見開きぶち抜きにした後、刀をかざす尊氏を前項と対になる位置でぶち抜きにしてるのもたぶん狙ってやってるのだろう。「死なせてください」→「わかりましたでは死になされ」→「おい」→「こら 死んだらどうする」の流れとかもはや芸術作品の域ではなかろうか。「おい」と「死んだらどうする」の表情も100点。この表情2つでその後の頼重の時行評がそのまますんなり入ってくるのほんとすごいよ。

 結論としてはとにかくすごく良かった。最近のジャンプ正直だいぶイマイチだったんだけど若君だけで定期購読続ける理由ができてしまった。有能じゃないかジャンプ編集部。

 若君の話はここまでなんだけどネウロが少し関わる話なのでついでに話す。最近グラブルのシナリオイベントで「セカンドアドベント」が復刻(サイドストーリー入り)した。それでスキップしつつもなんとなくちょいちょい読んでたんだけどもそこでこのイベントの敵キャラ「アランドゥーズ」がだいぶ好きなキャラだったのを思い出した。

 このアランドゥーズというのは味方側と思わせて実は非人道的マッドサイエンティストで、自分を機械(みたいなもん)と融合させてそのパワーで月に行くというのが最終目的とする、言ってしまえばそこそこ見たことのある敵キャラなんだが、このイベントの次回作「スパゲッティシンドローム」で、アランドゥーズが月に行きたかった理由が月出身だが帰れなくなってしまった少女ヤチマのためだったということがわかる。(一応示唆されてる程度だがたぶん間違いないだろう)

 なんかこういう知的好奇心を満たしたいだけの狂人に見せかけた愛に生きるキャラっていいよね。やってることがヤバければヤバいほどいい。このマッド君がイケメンだと台無しなのもアランドゥーズは良く分かってる。まあイケオジとは呼べてしまうかもしれないが。

 ネウロを読んだことある人ならピンとくるかもしれないがまあ要するに電人HALが好きだというだけの話だ。ほんとにネウロのHAL編は素晴らしいんです。シックス編も好きだけどHAL編は本当にダントツで良い。全人類ネウロ読んでくれ。今なら文庫版も出てるから。

 とにかく若君について語りたくてしょうがなかっただけなのでこれくらいで。やはり松井優征は天才だと言わざるを得ないですね!という狂信者発言でおわる。でも実は暗殺教室はそこまで好きじゃないんだ。えへ。